編集者 箕輪厚介氏の著書「死ぬこと以外かすり傷」を読みました。
おそらくは、
・これから社会に出る学生
・就職したばかりの20代の若者
・すでに会社や社会に染まってはいるが生き方や将来に不安を抱えた30代
辺りの年代をターゲットとして書かれた本だと思いますが、40代半ばのイドにもグサグサ刺さる内容でした。
例えばイドがそうだったように、
・転職に悩んでいる
・転職したくてもなかなか一歩を踏み出せない
といった人にとっても年齢を問わずきっと何らかのヒントや勇気を与えてくれると思います。
著者のように生きるには相当の覚悟とエネルギーが必要ですが、多様な生き方に寛容な今の時代、アイデアと行動力があれば自分の力で人生を打開していける可能性があります。重要なのはリスクを恐れず変われるかどうか、そして、あきらめずに目の前の壁を突破していけるかどうか。
「熱狂せよ」と著者は言います。「努力は夢中には勝てない」の言葉のとおり、周りが見えなくなるほど夢中になっている人は強い。例えば「オタク」的な知識はまさしく熱狂の産物だと思います。マニアックな知識であっても唯一無二であればそこに高い価値が生まれ、それがまた別の熱狂を生み出し、さらに加速していく。
とはいえ、熱狂する対象がないという人は意外と多いのではないでしょうか。
若いときには常に何かに熱狂していたのに、時間がない、お金がないといった理由で、ひとつまたひとつといつの間にか消えてしまった。イドもその一人かもしれません。
そういえば、中学三年生ではじめてギターに触ったときのあの熱狂。もう随分と味わっていないなー。
時間やお金の価値観、労働の形態や常識などが急速に変化していく世の中で、古い価値観のまま立ち止まっていてはダメだと感じます。
大人だけでなく、現代人には子供にだって時間はありません。学校の課題や習い事、SNSでの交流もそうですが、我が子を見ていてもそれはすごく感じます。
熱狂することが最強であると言いながらも、本書からは著者の並大抵ではない努力が伝わってきます。熱狂したら、とにかく手を動かせ!というのが著者の主張です。でも、人より努力しようといったところで、実際、時間なんてない。だからこそ、泥臭く「昨日までできなかったことを一つでもできるように」する努力を日々積み重ねていくしかない。
この言葉が刺さったという人は多いのではないでしょうか。
退職には多くのリスクが伴います。イドもそんなことは承知の上での決断でしたが、やっぱり不安でした。
イドが本書を読んだのは既に退職を決意した後でしたが、勇気をもらえたのと同時に、努力の必要性をあらためて思い知ることができたと思います。
これからもときどき手に取って読み直したいと思わせてくれる一冊でした。