退職あれこれ

公務員を退職すると何が起きるか②【年金の切り替え手続きについて】

公務員を辞めると今までは給料から天引きされていた社会保険料を自分で納めることになります。今回は、そのうちの一つ公的年金について紹介します。

厚生年金から国民年金へ

退職後、他の官公庁や企業には就職せず、個人事業主となる場合は公的年金が厚生年金から国民年金に切り替わります。

正確には、これまで厚生年金と国民年金にダブルで加入していたものが、退職によって厚生年金の資格を喪失するため、国民年金のみになる、ということになります。

厚生年金から国民年金への切り替えには手続きが必要!

厚生年金→国民年金の場合は、自ら切り替えの手続きをする必要があります。

手続きを忘れてしまってもそれほど問題にはならないようですが、国民年金保険料の支払い義務は発生しているため滞納者という扱いになり、のちに滞納分をまとめて請求される可能性もあるため注意が必要です。

手続きの方法

手続きは住所地の市区役所、町村役場で行います。

期限は退職日の翌日から14日以内とされています。

国民年金の区分では、公務員であったイドは第2号被保険者から第1号被保険者へ、イドの扶養となっていた妻も同時に第3号被保険者から第1号被保険者に切り替わります。

手続きに必要なもの

・運転免許証などの本人確認書類

・年金手帳など基礎年金番号がわかるもの

※基礎年金番号の代わりにマイナンバーでも可

・退職を証明するもの(退職辞令、離職証明書など)

・印鑑

会社員や公務員などの第2号被保険者は、厚生年金に加入すると同時に国民年金にも加入することになるので、「基礎年金」(国民年金による給付)と「厚生年金」を両方受け取ることができます。

しかし、自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者はこの厚生年金による上乗せがない分、老後に受け取れる年金額が少なくなります。

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出典元:厚生労働省「公的年金制度の概要」

保険料の支払い額はどうなる?

イドが今まで支払っていた年金保険料は、月40,260円でした。

厚生年金の保険料は給与から決まる標準報酬月額に保険料率をかけて次式で計算されます。

 保険料=標準報酬月額×保険料率

保険料率は現在18.3%で固定されています。

退職時のイドの標準報酬月額は440,000円でしたので、

月々の保険料は440,000×0.183=80,520円となります。

ただし、保険料は事業主と折半になりますので、実際に天引きされる額は半分の40,260円になるというわけです。

一方、国民年金の保険料は毎月16,540円(令和2年度)です。妻の分と合わせれば月々の保険料は33,080円となります。

今まで8万円納めていた保険料(実費負担は4万円)が約3万円に減るので、受け取れる年金が少なくなるのは当然といえば当然でしょう。

いかに会社員や公務員がお得かということがわかります。

では、減った年金をどうするか

会社員と違い定年がないというのが個人事業主の強みでもありますが、いつまでも健康で働けるという保証はどこにもありません。

したがって、老後の備えとして個人で出来ることを検討していく必要があります。

とはいえ、開業後間もない個人事業主に資金の余裕などありません。将来のことよりもまずは目先の生活が優先です。

毎月の保険料を納めることが困難な場合

失業などで所得が減り保険料を納められない場合、保険料の免除や納付猶予を申請することが可能です。(失業等による特例免除)

通常の免除・猶予制度では所得等の基準がありますが、この特例免除を活用すると本人の所得をゼロとして扱われます。ちなみに、失業の理由は問われません

また、妻が扶養になっていた場合は、妻にも特例免除が適用できます

新型コロナウイルスの感染拡大で先が見えない部分もありますので、イドも妻と二人分申請を行いました。

免除の額については世帯の収入によって審査され2カ月後くらいに通知が来るそうです。(本人ではなく世帯単位の収入で審査される)

また、国民年金は7月~6月を一年度としているため、今回免除になる期間は4~6月分のみです。よって、7月以降も継続したい場合は、7月に再度手続きが必要になります。

もし免除となれば、全額納付した場合と比べて将来の年金額は減ることになりますが、免除された保険料を追納すれば年金額を増やすことも可能です。

追納できるのは10年以内ですが、3年度目以降になると保険料に加算額が上乗せされるので2年以内に行うことが望ましいでしょう。

イドも2年後には事業を軌道に乗せて、忘れずに追納をしたいと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました。