一般に6月から10月頃までは出水期と呼ばれ、集中豪雨や台風が多い時期となります。
台風といえば昨年の台風15号、19号による被害は記憶に新しいところです。
関東では大規模な停電が発生しましたが、復旧に想定外の時間を要したことで、直接、被害に遭わなくても電気のありがたみを実感した方は多いのではないでしょうか。
太陽光発電は停電時に役に立つのか
東日本大震災以降、施策の後押しもあり、太陽光発電が一気に普及しました。
しかしながら、自宅の屋根につけた太陽光発電について間違った認識を持っている人も少なくないようです。
「うちは太陽光発電があるから停電しても大丈夫」
これは間違いではありませんが、正しく理解していないと全然大丈夫じゃなかった、ということにもなりかねません。
停電中でも太陽光パネルは発電する?
当然ながら、太陽光発電は太陽光がなければ電気をつくれません。つまり、雨天や夜間には発電はしてくれません。
ではよく晴れた昼間ならどうでしょうか。
太陽光パネルは停電中でも発電をします。
でも、この電気はそのまま使うことはできません。
停電中に太陽光の発電した電気を使うには?
太陽光発電は通常、電力会社から電気を買ったり、逆に売ったりできるよう配電線と接続されています。(これを「系統連系」といいます)
この状態で停電が起きると、安全のためパワーコンディショナー(以下パワコン)は運転を停止します。(停電した配電線に発電した電気が逆流することを防ぐため)
ちなみに、太陽光で作られる電気は「直流」、これを家庭で使える「交流」の電気に変換するのがパワコンの役目でもあります。
パワコンが停止した状態では発電した電気を家の中で使うことはできません。
そこで、自宅の太陽光発電を電力会社の系統から切り離すという作業が必要になります。
ほとんどのパワコンには「自立運転モード」が備わっています。
系統連系運転から自立運転に切り替えることでパワコンは系統から切り離され、発電した電気を使って運転できるようになります。
(切り替え方は各メーカーによって異なりますが、非常時に慌てないよう取説等で確認しておくことが大切です)
自立運転モードにおける注意点
さて、これで太陽光発電の電気を使えるようになりましたが、少し注意が必要です。
自立運転時に使えるのは自立運転用のコンセントのみです。
コンセントの位置は特に指定をしていなければパワコン本体についていることが多いようです。
また、使える電気も最大1500Wとなっており、天候等によっても変わりますので、消費電力の大きい機器やデスクトップパソコンなどのバッテリーを持たない精密機器等は避けた方が良いでしょう。
もちろん、天井にある照明は使うことができません。
停電時でも家全体の電気を使えると誤解されていた方にとっては残念なお話かもしれませんが、スマホの充電や電子レンジ、炊飯器、ファンヒーターなども使えるので十分に生活の支えになるでしょう。
蓄電池を設置するという選択肢も
でも、それでは不安、停電時でも普段と同じ生活をしたいという方は、蓄電池を設置するという方法があります。
日中、発電した電気を蓄えておくことができるので、雨天や夜間でも電気を利用することができます。