音楽

超主観的な視点で選ぶすごいギタリスト①

中学3年生でギターと出会い、高校、大学とギターに明け暮れ、一時はプロを夢見て猛練習に励んでいた時期もありました。まだ、ネットもない時代に貴重な情報源であった「ヤングギター」や「ギターマガジン」を愛読し、多様なジャンルのギタリストのCDを聴いては新鮮な衝撃を受けていたことを今でも思い出します。

あれから30年、数々のギターアルバムを聴いてきたイドの超主観的な視点で選んだすごいギタリストたちを紹介したいと思います。

どういう基準で選ぶかによって顔ぶれは多少異なってきますが、ギター界のパウンド・フォー・パウンド、同じフレーズを弾かせたら誰が一番カッコよく、あるいは美しく弾くだろうという視点で選んでみました。

では早速、一人目から

スティーヴィー・レイ・ヴォーン

もし、自己中心的なランキングをつけるとしたら文句なしの第1位です!

リズム、トーン、テクニック、どれをとっても非の打ちどころのない天才ギタリスト。

イドがSRVのことを知ったのは彼の死後、雑誌で追悼記事が組まれたときでした。そのときは「名前は聞いたことあるけど死んじゃったんだ」くらいの印象しかなく、彼の音楽を知るのはもう少し後になってからでした。

超主観的であることを前置きしているので遠慮なく言ってしまうと、20世紀最高のブルースギタリストであり、今世紀現在に至るまでその地位は不動といって良いでしょう。まさに不世出のギタリスト。

1990年、不慮の事故でこの世を去り、彼は伝説となりました。ドラッグとアルコール依存症から復活し、最高傑作の呼び声高い「In Step」を発表した翌年のことでした。ヘビーゲージのストラトキャスターから放たれる攻撃的なサウンドはすでにデビュー作である「Texas Flood」から全開ですが、独断と偏見で選ぶと、ライブアルバムの「Live Alive」と「In Step」の2枚は彼の魂をより強烈に感じることができる、ギターを志す者であれば是非聴くべきアルバムであることは間違いないでしょう。

Stevie Ray Vaughan スティービーレイボーン / Live Alive 【CD】

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カルロス・サンタナ

おそらくギターに全く興味がない人でも、なんかこのギター耳に残る、きっとそんな印象を受けるはずです。聴く人の心の奥深くに届くギター、それこそがカルロス・サンタナ、彼のすごさです。

フレーズの引き出しも、聴く者を圧倒するテクニックも、彼より多彩で優れたプレーヤーは星の数ほどいますが、誰も彼のようにギターで歌うことはできません。たった一つのロングトーンで、そこに音楽を出現させる神の指先。究極の音を奏でることができる唯一無二のギタリストではないでしょうか。

最近ではニッケルバックのチャド・クルーガーやミシェル・ブランチなど親子ほど年の離れたミュージシャンとのコラボを意欲的に行ったり、「Guitar Heaven」ではロック史に残る数々の名曲のカバーを聴かせてくれています。ラテンとブルースをベースに独自のロックを作り上げた彼の、ため息が出るほど美しく官能的なギターサウンドを是非堪能してみてください。

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エリック・ジョンソン

EJの音楽に出会ったのは高校生の頃、それまではディープパープルやイングヴェイなどのハードロックばかりを聴いていたイドでしたが、ある雑誌の記事で彼のことを知り、早速アルバム「Ah Via Musicom」を購入しました。そして、名曲「Cliffs Of Dover」の印象的なイントロと独特なサウンドに度肝を抜かれたあの衝撃は今でも忘れません。

ミュージシャンズ・ミュージシャンと称されスタジオミュージシャンとしても高く評価されていた彼がスーパーギタリストとして広く認知されるきっかけとなった代表作でもあります。

正確なテクニックももちろんEJのすごさの一つですが、なんといっても特筆すべきは一音で彼の音だとわかる美しいトーン。EJの音へのこだわりは有名ですが、シンプルなフレーズも彼のギターというフィルターを通せばたちまち美しい音楽へと昇華されます。実際、フレーズはペンタトニックを主体に組み立てられているシンプルなものが多いですが、彼が弾けばまさにEJサウンド!聴くものを魅了する魔力。

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とりあえず今回紹介したのは3人だけですが、この3人に対して異論を唱える方はそう多くはないでしょう。むしろ超主観的と言いながら誰もが認める顔ぶれでつまらないというご指摘すらあるかもしれません。

フレーズではなくたとえただのドレミであっても、何かしらのエネルギーを乗せた音楽として聴かせてくれる。そんな3人ですからどのジャンルのプレイヤーであっても、さらに言えばギタープレイヤーでなくても是非一度は聴くべきギタリストたちです。